日本のたばこ行政

日本のたばこ行政の特徴として、タバコ事業を管轄しているのが 厚生労働省 ではなく、財務省であるということが挙げられる。他の先進国においては、タバコは人体に影響を与える「薬品」であるとして衛生や医薬品を管理する厚生労働省にあたる省庁が管理している。また財務省は、日本唯一のタバコ製造メーカーである日本たばこ産業(JT)の筆頭株主たることが義務付けられている。すなわち、筆頭株主が行政も担当しているということになる。また、財務省官僚が退職後に日本たばこ産業に再就職(いわゆる天下り)することが過去にみられている。同様に、酒類関連の製造・販売事業も、日本では財務省(国税庁)の所轄である。これはタバコや酒類が課税物資と捉えられているためである。このようなタバコ産業と行政の密接な係わり合いがあるため、日本では禁煙に関する立法および行政活動が大いに遅れたと指摘されている。

欧米の先進国の多くでは国家政策として禁煙を奨励したため、喫煙関連の疾患が減少し、国民の健康の向上および医療費の削減に成功した。また未成年期のタバコを吸い始めとそれに続くタバコ依存症への対策として、未成年の喫煙に関しての立法(タバコ購買における身分証明書の要請およびタバコ広告の禁止)がある。

タバコの容器に表示が義務付けられている、健康に関する警告表示(後述各国の警告表示)といった、公衆衛生的な管理にあたっているのも財務省である。諸外国と比べ、日本の警告表示には写真等が含まれず、文面も穏やかであることから、警告表示として不十分との批判がある。

日本のたばこ行政に関連し、日本の販売様式の特徴として、歴史的に自動販売機によるタバコ販売が活発であったことがある。これによって未成年に対するタバコ販売の禁止が日本では無意味なものとなっていた。2004年には、全国に約62万台の自動販売機が設置されており、実質的に未成年でもタバコが購入できる状況であった。そのため1996年頃から、タバコ自動販売機を23時~翌朝5時まで停止させる自主規制が行われている。だが、自販機における深夜帯の売り上げは10%程度しかなく、たばこ業界が批判をかわすためのカムフラージュであるという指摘がある。たばこ業界は、2008年中に全てのたばこ自動販売機をICカード「タスポ」による年齢認証を行った上で販売する方式に切り替えると発表した。 2008年7月には、全国でタスポによる年齢認証が導入された。

コンテンツ